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スタッフブログ FUKUCHI REPORT

福地組のスタッフが住まいに関する様々な事を中心に日々の事、
業務、気がついた小さな事をご紹介します。

第28回:2017.11.15[スタッフブログ]設計するにあたり大切な事〜認知症を考える〜

こんにちは、設計部の仲宗根です。

これまでに、グループホームや有料老人ホームなどの介護施設を、設計・施工で行ってきましたが、設計するにあたり、建物に係わる施設基準や法規などだけではなく、サービスや利用者の症状についての知識も必要となります。

長文にはなりますが、認知症についての講演で聞いたお話をさせて頂きたいと思います。

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講師は、生活とリハビリ研究所の三好 春樹さん。介護分野のみならず、看護・医療分野にまで広げ、介護福祉の新しい潮流を切り開いた第一人者。書著として「認知症介護」・「認知症介護が楽になる本」などを執筆されております。講演の内容も、認知症介護を自分の経験を踏まえながら分かりやすく、そして面白く伝えておりました。

「なぜ、認知症の入居者は施設を出て行こうとするのか。」
それは、目的があるからです。年代や性別により目的は異なりますが、男性の大半は会社に行かなければと思い、女性の大半は家事や育児を行わなければと思うそうなのです。自分が忙しいが充実した日々を過ごしていた時を思い出し、行動へと移しているだけなのです。こういった行動は、竹内3分類に分けると回帰型と言うそうで、思い出にある人を施設の職員や利用者に置き換えたストーリーを組み立てたりし、落ち着くとふと現実に戻ったりするようで、それは今まで生活していた家ではなく、まったく分からない施設で生活しなければいけないストレスに対する脳の反応でもあるようなのです。

「なぜ、入居者は不安になり落ち着かないのか。」
それは、自分の家ではないからです。ここで言う家とは、実態でなく自分が必要とされる場所が家なのです。家事や育児・仕事で必要とされていた自分とのギャップに不安になり苛立つそうなのです。介護者されるだけでなく、出来る事をさせる事で心のバランスを取ってあげる事が必要だそうです。

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人は生きる上で、いろいろな経験を積み重ね、一人一人違う人生を歩んできているので、千差万別の対応が必要であり、ケース検討を行い、どうすれば落ち着くのかを考える事が必要ではないかと仰っていました。

只、言うのは簡単で、介護の現場ではそう行かない事もある。だからこそ、意識的に理解し行動しなければならないそうなのです。

来賓として出席されていた浦添市の松本市長も、人は泣く事と息をする事以外は、これまで経験を記憶として積み重ねて来たが、認知症になって積み重ねてた事を忘れていく、介護者は手放す過程に立ち会い、向きわななければならない、老いる事はごく自然な事であり、老いて行くプロセスを誠実に受け止め、問題として捉えるのではなく、必然的に捕らえる事で心にゆとりが生まれる。理解しようとする気持ちが大切だと仰っておりました。

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介護事業者は利用者の気持ちを理解し、どう対応した方が良いかを考え行動しています。そうであれば、私達設計者も、少しでも事業者や利用者の考えや気持ちを理解し共感しなければ、良い提案が出来ないと考えています。

これからも、設計を行うにあたり、暮らしの場として、私ならばどうあって欲しいのか、自分や家族が住みたい施設なのかを、事業者と一緒に考え、少しでも良い施設を造って行きたいと思います。